2008年11月19日(水) 20時32分

＜大相撲九州場所＞白鵬、厳しい立ち合いで把瑠都を圧倒（毎日新聞）

　◇大相撲九州場所１１日目（１９日、福岡国際センター）

　歓声を背に引き揚げる花道でも表情を緩めない。モニター前で足を止め、自分の相撲を確かめる白鵬。ポンとまわしをたたいて、ここでようやくうなずきながら支度部屋へ。それだけ緊張感を高めて臨んだ一番だった。

　「立ち合いから集中していた」。右は脇を固めてまわしを許さず、素早く左を入れる。右はおっつけて起こして双差しに。そして一気に前へ。「どちらでも組めればね」と戦略を描いた新関脇の怪力を速さで圧倒した。

　前日、把瑠都戦に水を向けられ「聞こえません」と冗談で返したが、がっぷり四つに組んで苦しめられた先場所に学んだことは、主導権をつかんだ厳しい立ち合いが示していた。「横綱は足一歩でも圧力が違うよ」。８連勝と波にのっていたはずの把瑠都も脱帽するしかなかった。

　初日黒星の後、１０連勝。尻上がりに調子を上げる横綱に武蔵川理事長も「攻めが速い。自分の相撲を取り戻してきたな」。単独首位に立ち「当然ですか」と自身の決まり文句で問われ「そういうことです」とニヤリ。

　次の相手は同じく上り調子で２敗を堅持する安馬。過去１年間の対戦成績は３勝３敗の五分。優勝と大関取りの行方を占う大一番を迎える。【大島祥平】

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