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2008年11月19日(水) 19時59分

黒竜江省の秦永珍さんは山形県の高橋定子さんと判明 中国残留孤児産経新聞

 厚生労働省は19日、肉親捜しのため一時帰国している中国残留孤児で、黒竜江省の秦永珍さんについて対面調査の結果、本籍が山形県の高橋定子さん(73)と判明したと発表した。訪日調査した孤児で個人が特定されたのは2年連続で、684人目となる。

 高橋さんは19日午後、父方のいとこに当たる北海道在住の3姉妹と対面。このうち次女の女性(73)が、高橋さんが満州に渡る前に同じ小学校に通い、一緒に遊んだ記憶があった。さらに▽家の状況▽高橋さんの顔が、3姉妹の母親と似ていた▽離別地点、年齢、家族構成が一致した−ことから本人と判明した。

 高橋さんは終戦時に避難する途中、銃撃されたショックで多くの記憶を失ったが、日本の家に海と線路があったことや満州の家に「高橋」と表札があったことを記憶していた。厚労省が保管する資料で避難経路が一致する開拓団を発見し、高橋さん一家とみられる名簿も確認したため、親戚の3姉妹に対面調査を呼びかけた。

 対面調査の後、記者会見した高橋さんは「記憶はよみがえらず、親族という実感は沸かなかったが、うれしくて、とても温かい気持ちになった」と笑顔を見せ、「日本に定住したい気持ちはあるが6人の子供と一緒に帰国したい」と語った。

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