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2008年11月18日(火) 02時00分

横浜刑務所の刑務官が男性受刑者をごみ置き場に監禁スポーツ報知

 20代の男性受刑者(当時)を刑務所内のごみ置き場に監禁したり、「デブ」と呼んだりしたとして、横浜刑務所(横浜市港南区)が30代の男性刑務官(当時)を厳重注意処分にしていたことが17日、分かった。刑務官は刑務所の調査に「悪ふざけでやった」と説明。同刑務所は公表基準に当たらないとして、虐待の事実や処分を公表していなかった。

 受刑者から人権救済の申し立てを受けた横浜弁護士会が調査を進めており、刑務所に警告を出すことも検討。今年5月から11月にかけ、少なくとも3回、別の受刑者への人権侵害があったとして刑務所に勧告をしている。

 横浜刑務所によると、刑務官は2005年6—7月ごろ、刑務所内の工場で作業していた受刑者数人を連れてごみを捨てに行った際、うち一人の受刑者を金網などで囲われた約六畳の広さのごみ置き場に入れ数十秒、ドアを押さえ付けて監禁。4—7月は、この受刑者を「デブ」と呼んでいた。

 受刑者の待遇改善などを目的にした受刑者処遇法が成立した05年5月の直後の時期で、事態を重視した刑務所が刑務官を06年10月に処分し、工場担当から外した。刑務官はその後退職した。

 男性受刑者は04年9月に東京地裁で覚せい剤取締法違反罪で実刑判決を受けて控訴し、同年12月に東京高裁で控訴が棄却され、確定。05年春から06年秋は横浜刑務所で服役した。

 監禁のほかにも「刑務官から木の実を食べさせられた」など十数件の人権侵害を受けたとして、処分を受けた刑務官を含む3人を挙げ06年、人権救済を申し立てた。木の実を食べさせられたとの訴えについて刑務所側は「そういう事実はない」としている。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081117-OHT1T00308.htm