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2008年11月18日(火) 11時21分

「湾岸戦争症候群」4人に1人、記憶力低下や痛み発症読売新聞

 【ワシントン=増満浩志】米退役軍人省の専門家委員会は17日、湾岸戦争(1991年)の帰還兵が多数、苦しんでいる記憶力低下や全身の痛みなどの「湾岸戦争症候群」について、「主に脳と神経系への有毒物質による障害で、帰還兵の4人に1人が発病している」とする報告書を発表した。

 同委員会は、研究データ数百点を詳しく分析。症候群の主因を〈1〉毒ガス兵器に備えて投与された予防薬〈2〉殺虫剤−−の二つに絞り込んだ。また、「他の様々な物質の影響も否定はできない」と指摘。特に、91年にイラクで神経ガスを処分した際、風下にいた兵士は、脳腫瘍(しゅよう)による死亡率が他の兵士の2倍に上るとしている。

 一部で指摘された劣化ウラン弾などの影響は否定した。また、他の戦争との比較から、「戦闘などによる精神的な後遺症とは根本的に違う」と結論した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081118-00000019-yom-int