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2008年11月18日(火) 03時15分

参院宿舎の建て替え計画、白紙に…受注企業が契約破棄打診読売新聞

 参院清水谷宿舎(東京・紀尾井町)の建て替え計画を巡り、工事を受注した共同企業体(JV)が発注元の国に対し、契約破棄を打診していることが17日、分かった。近隣住民や東京都の反対で、宿舎本体の着工が昨年夏以降、1年以上も一時凍結されているためだ。参院側は工事発注のやり直しは困難と見ており、現在の建設計画は事実上、白紙に戻る見通しとなった。

 参院の複数の与野党幹部によると、JV側は今月に入って契約破棄を求め、近く正式に通告する意向だという。契約には、事業が6か月以上停止した場合は契約解除できるとした条項があり、JV側は宿舎本体着工の見通しが立たない以上、契約継続は困難と判断したと見られる。

 参院議院運営委員会は、JV側の通告を受け次第、与野党代表者が今後の対応を協議する方針だ。計画を推進してきた自民党内では「業者の再選定は現実的ではなく、現行の建て替え計画は白紙に戻さざるを得ない」との指摘が出ている。

 計画は、約43億8000万円をかけて現宿舎を近隣の国有地に移転し、2006年度から4年間で地上14階の高層ビルに建て替える内容。しかし、移転予定地に雑木林が残り、東京都の風致地区にも指定されているため、石原都知事は着工に同意しない意向を示し、参院側が再考を求めていた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081118-00000008-yom-pol