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2008年11月18日(火) 20時56分

<国会>民主が方針転換…一転、波乱含みの展開に毎日新聞

 08年度第2次補正予算案の今国会提出を求める民主党の戦術により、18日の参院は空転状態となった。民主党は19日以降は審議を再開する構えだが、政府・与党が今国会の最重要法案と位置づける新テロ対策特別措置法改正案と金融機能強化法改正案の早期採決は見送る方針。長引けば30日までの今国会は大幅な会期延長が必要で、国会は一転、波乱含みの展開となっている。

 「2次補正予算案の提出がなければ、新テロ法案と金融法案は採決できない」。18日の自民、民主両党の参院国対委員長会談で、民主党の簗瀬進氏がこう切り出すと、自民党の鈴木政二氏は「いったん決めた採決はやってもらわないと。今まで積み上げたものがパーになる」と恨み節を漏らした。

 民主党の対応が一変し、両法案の行方は一気に不透明になった。政府・与党は「60日ルール」を使い、衆院再可決に持ち込むことを検討。金融法案の成立を目指すなら来年1月5日以降までの越年国会も見通さざるをえなくなっている。

 危機感を強めた自民、公明両党の参院国対委員長は18日、江田五月参院議長に「指導力を発揮して民主党に約束を守らせてほしい」と直談判。しかし、江田氏は「聞き置く」と述べるにとどまった。与党は参院議院運営委員会の理事会で、民主党の求める19日の本会議開催を拒否し、本会議自体が流れる異例の事態も発生した。

 ただ、民主党も全面的な審議ストップに対する慎重論を受け、法案ごとに対応を変える戦術に軌道修正。山岡賢次国対委員長は18日の代議士会で「生活や人道に関する法案は衆参連携して進める」と強調し、銃刀法改正案など与野党ですでに合意した法案成立は容認する考えを示した。

 民主党が主導した唐突な党首会談に他野党は冷ややかで、2次補正提出と新テロ法案を絡める民主党方針に対し、共産、社民両党からは「理解できない」との批判も根強い。次期衆院選をにらみ、独自色を強める野党各党の共闘には微妙な溝も生まれつつある。【山田夢留、田中成之】

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