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2008年11月17日(月) 21時57分

党首会談“平行線” 国会、大幅延長は不可避 民主はテロ特採決拒否産経新聞

 麻生太郎首相(自民党総裁)と民主党の小沢一郎代表が17日夕、首相官邸で会談した。この中で、小沢氏は平成20年度第2次補正予算案を今国会に提出するよう要求したが、首相は明確な回答を避けた。このため、民主党は18日以降の重要法案の採決に応じない方針を決定。同日に予定されていた新テロ対策特別措置法改正案の参院委員会採決は先送りされることになった。政府・与党は新テロ法案のほか金融機能強化法改正案については、会期延長してでも今臨時国会での成立は譲らない方針のため、今国会の大幅延長は不可避の情勢となった。場合によっては、来年1月まで延長する可能性も出てきた。

 党首会談に先立って開かれた自民党役員会で、首相は新テロ法案と金融法案の今国会成立に意欲を示した上で「場合によって会期延長もある」と語った。

 麻生、小沢両氏の初の党首会談は民主党の要求で行われた。河村建夫官房長官と自民党の細田博之幹事長、民主党の鳩山由紀夫幹事長と山岡賢次国対委員長が同席した。

 小沢氏は「(首相は)選挙をやらずに、景気対策が必要といって追加対策を決めたはずだ。2次補正を今国会に出して会期を延長してでも審議すべきだ」と求めた。与党幹部によると小沢氏は「2次補正を出せば協力する」と語った。

 しかし、首相は2次補正について「最大限努力するが、今の段階では明快に答えられない」とした上で、12月の平成21年度予算案の編成や税制改正作業を挙げて「12月はむしろそっちをしっかりやりたい」と表明し、2次補正の今国会提出に関する言質を与えなかった。

 また、2次補正が今国会に提出されない場合について、民主党側は他の重要法案審議での抵抗戦術を示唆した。これに対して、首相は「2次補正と、テロ特(新テロ法案)や金融関連(金融機能強化法改正案)は関係ない」と反論したが、議論は平行線に終わった。

 この会談を受けて、民主党の簗瀬進参院国対委員長は同日夜、自民党の鈴木政二参院国対委員長に電話で「あすはすべての委員会に出られない」と通告した。

 民主党が極端な徹底抗戦を貫いた場合、新テロ法案の衆院再議決が可能になるのは12月下旬、金融法案再議決が可能になるのは来年1月5日となるため、越年延長の可能性が出ている。

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