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2008年11月17日(月) 12時25分

<国歌不起立>教諭の氏名収集 情報消去求め提訴へ 横浜毎日新聞

 入学・卒業式の国歌斉唱時に起立せず、神奈川県教育委員会に氏名などの個人情報を収集・記録された県立高校教職員ら18人が17日午後、「思想・信条に関する情報の収集は県条例に反し違法」として、県に情報の消去や1人100万円の慰謝料を求めて横浜地裁に提訴する。県教委は、県個人情報保護審査会答申を受けて一部の情報を消去した後も氏名収集自体は続けており、その是非が法廷で争われる。

 訴状によると、県教委は06年3月の05年度卒業式から、起立しない教職員の氏名と指導内容を校長に報告させて収集した。一部教職員が県個人情報保護条例に基づき消去を求め、県審査会は07年10月「条例が取り扱いを禁じた思想・信条に関する個人情報に当たる」として消去を答申し、県教委は同年12月、07年度入学式までの情報を消去した。

 しかしその後も氏名収集が継続されたことから、教職員らは「不起立は内心を示す情報であり、答申を無視して収集し今も保管し続けているのは条例違反」と主張。県教委が「情報利用不停止決定」を出し、情報の消去を拒んでいるのに対し、決定の取り消しなどを求めている。

 訴えに対し、県教委は「提訴の内容を聞くまでコメントできない」と話している。【杉埜水脈】

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