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2008年11月17日(月) 02時31分

<愛知裏金>県議全員、調査範囲に不満…アンケート回答毎日新聞

 愛知県の裏金問題で、毎日新聞が県の内部調査の手法などについて県議にアンケートしたところ、回答した全員が「(調査対象外となっている)会計検査院の指摘事項以外の不正経理も調査すべきだ」と回答した。03〜07年度という対象期間についても回答者の約3割が「不十分」と答えた。議会側が調査に満足していない現状が明らかになった。【秋山信一】

 アンケートでは(1)検査院の指摘事項以外も調査すべきか(2)調査対象期間は十分か(3)全庁的に裏金はあったと思うか(4)県議会の責任(5)知事の責任−−の5項目を聞いた。今月7日に全県議(103人)に郵送し、15日までに75人(73%)から回答を得た。

 検査院の指摘を受けて、県は▽需用費の不正経理▽旅費・アルバイト賃金の目的外使用のうち国庫補助金分−−に限定して調べている。旅費・賃金の目的外使用のうち県費分、正職員らの人件費の架空請求など、他の不正経理は調査対象でない。また対象期間も5年間に限定している。

 アンケートでは、75人全員が「全容解明なしに再発防止などできない」(鈴木彰伯氏=民主)「県民の信頼を回復できない」(小林功氏=自民)などと、指摘事項以外の不正経理の調査を求めた。また対象期間が不十分と答えた県議23人からは「少なくとも過去20年はさかのぼるべきだ」(刀禰勝之氏=民主)「神田真秋知事の就任(99年2月)以降は調べるのが当然だ」(波形昌洋氏=同)などの意見があった。

 全庁的な裏金については、回答した26人のうち6割の16人が「過去にはあった」か「今もある」と回答。長年裏金作りを見逃してきた県議会については71人(95%)が「責任がある」と答えた。問題を議会独自に調査する特別委員会の設置や、県監査委員4人のうち2人を県議が占める現行制度を見直して外部委員を登用することを望む声も複数あった。

 一方、知事については「調査結果が出てから、自ら責任をとるべきだ」との意見が多数を占めた。

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