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2008年11月17日(月) 02時30分

<ウナギ偽装>別件で農水が調査…謀議の2カ月前に別の会社毎日新聞

 中国産ウナギの偽装事件で、不正競争防止法違反容疑で逮捕されたウナギ輸入販売会社「魚秀」社長の中谷彰宏容疑者(44)らが偽装を話し合う約2カ月前、福岡市内の会社が別の産地偽装疑惑で農林水産省の調査を受けていたことが分かった。この会社は「魚秀」と元担当課長の北本順一容疑者(40)が逮捕された水産物卸売会社「神港魚類」の両社とウナギの取引があり兵庫、徳島両県警の合同捜査本部もこの事実に注目している。

 合同捜査本部によると、中谷容疑者らは07年11月ごろ高松市内で会合を持った。同市内の冷凍倉庫で中国産ウナギを国産の箱へ詰め替えた作業を差配した疑いのある稲山恵誉(よしたか)容疑者(44)らも参加しており、この時期から具体的な偽装工作を計画していたとみられる。

 一方、福岡の会社は社員が数人しかいないのにウナギの取扱量が多かったことなどから農水省が07年9月、立ち入り調査を実施。会社は直後に廃業したが、残っていた資料などから「神港魚類」は1月からウナギ約92トンを仕入れ、その後「魚秀」がうち約54トンを「九州産」として販売していたことが分かった。 このため、合同捜査本部は逮捕されたグループが早い時期から偽装にかかわっていた可能性も視野に捜査している。

 合同捜査本部は16日、中谷容疑者ら8容疑者を神戸地検に送検した。

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