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2008年11月17日(月) 02時30分

<野口英世>偉業、次の世代にも…NYの墓標80年ぶり修復毎日新聞

 【ニューヨーク小倉孝保】黄熱病ワクチン開発研究中に西アフリカで亡くなった世界的医師、野口英世(1876〜1928)の墓碑(ニューヨーク市)が、80年ぶりに修復され15日、除幕式が行われた。

 野口は死亡時、ロックフェラー医学研究所(現在のロックフェラー大学)に勤務していたことから、遺体はニューヨークのウッドローン墓地に埋葬された。その際、大きな石に銅板墓碑が埋め込まれたが最近、傷みが激しくなり石はコケで汚れていた。そのため米国日本人医師会(約250人)が、約4000ドル(約39万円)をかけ修復した。

 除幕式には、日米の医師を中心に約30人が出席。修復計画の中心人物の一人、コロンビア大医学部の本間俊一教授は「次世代の人々がこの墓を訪れ、人類のために何をすべきかを考えてもらいたい」とあいさつ。駐ニューヨーク総領事の桜井本篤(もとあつ)大使は「博士は世界が、病気に対し協力すべきことを教えている」と語った。

 伝記を読んで母由美子さん(44)と一緒に参加した地元在住の小学3年生、冨田真柊(ましゅう)君(8)は「小さいころのやけどに負けず、努力した博士の姿に感動し、どうしても来たかった」と話した。ウッドローン墓地はジャズミュージシャンや企業設立者など有名人の墓も多いが、野口の墓は最も来訪者の多い場所になっているという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081117-00000010-mai-soci