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2008年11月16日(日) 00時08分

日本人船長含め全員無事 中国マグロ漁船乗っ取りで情報中国新聞

 【北京15日共同】アフリカ東部ケニア沖で日本人船長らが乗船した中国天津市の「天津市遠洋漁業」所属のマグロ漁船天裕8号が海賊とみられるグループに乗っ取られた事件で、中国外務省や漁業協会などは十五日、ケニア政府などと連絡を取りながら乗組員の安否を含めた情報収集に全力を挙げた。

 中国漁業協会は、関係ルートを通じて得た情報として、十五日夕(日本時間同)現在、ケニア沖で乗っ取られたマグロ漁船の乗組員は日本人船長を含め全員無事だ、と明らかにした。

 同社の担当者は同日までの共同通信の取材に対し、日本人船長の名字を明らかにし「久貝」さんだと語った。中国では近年、マグロの消費量が増加するのに応じ、中国漁船による漁も活発化しており、日本人船長がマグロ漁に関する知識や技術を持つとして起用された可能性がある。

 中国メディアの報道などによると、同社は二十二隻の大型、中型漁船を所有。事件にあった天裕8号は四年前から操業していたという。

 また、中国当局は乗っ取りがあったケニア沖などソマリア付近の海上で操業している漁船に対し現場海域から離れるよう呼び掛ける緊急通知を出した。在北京の日本大使館も情報収集に当たっているが「事件の性質上、日本人が含まれるかどうかも含め明らかにできない」としている。

 乗っ取りは日本時間十四日午前三時ごろ発生。乗組員は日本人船長、中国人十六人(台湾人一人を含む)、ベトナム人四人、フィリピン人三人の計二十四人。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200811160099.html