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2008年11月16日(日) 01時33分

<北方領土>間近に望む遊覧船就航、観光の目玉に 歯舞漁協毎日新聞

 北海道根室市の歯舞漁協は15日、北方領土を間近に望む遊覧船を就航した。歯舞群島の西端に位置する貝殻島と納沙布岬の中間点(約1.85キロ)付近までのクルージングで、貝殻島の灯台がはっきりと見えるほか、鯨など野生動物を観察できる可能性もあり、新たな観光の目玉になりそうだ。

 漁協が観光船の直接運航を手がけるのは道内では初めて。同漁協では定款に「観光事業」を新たに加え、運輸局に不定期航路を届け出て実現した。遊覧船は、夏場に貝殻島コンブ漁の指導船として使われている「第15はぼまい丸」(9.7トン)を活用。GPS(全地球測位システム)を使ってロシアの主張する中間ラインのすぐそばまで航行する。

 根室市民8人とともに第1便に乗り込んだ猪飼秀一・根室支庁副支庁長(57)は「灯台外壁のでこぼこまで見えた。北方領土の近さを実感できる新しい観光資源。多くの国民に見ていただきたい」と話していた。

 歯舞漁港発着で所要時間は2時間。12人の定員で、運航は11月1日から4月末まで(予約制)。料金は大人3000円、小中学生2000円。申し込みは同漁協遊覧船係(0153・28・2121)へ。【本間浩昭】

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