記事登録
2008年11月16日(日) 09時56分

新球場へのアクセス悩みの種中国新聞

 来年4月10日、広島東洋カープの開幕戦を迎える広島市南区の新球場(収容人員3万350人)の交通アクセス問題に市などが頭を悩ませている。渋滞を避けるために徒歩で来場を呼びかける構えだが、3万以上の人の波がどう押し寄せるのか予想し切れない。球場側、野球ファン双方が不慣れな初期は混乱の恐れもある。

 JR貨物ヤード跡地に建設中の新球場周辺はもともと道路が狭い。昨年10月の市の混雑度調査では、球場南側の大州通りは1.65、JR線の北側のあけぼの通りは1.61と基準(1.0)を大幅に上回った。JR広島駅北側の若草町地区などでは再開発も進む。「完成後、パンク状態である混雑度1.75を超す可能性は否定できない」と市道路部。

 市も渋滞対策は講じている。球場から市中心部への経路となる市道・段原蟹屋線(310メートル)は前倒しして来春に開通させる。大州通りは球場南側の約390メートルを片側1車線から同2車線に拡幅する。しかし地域の不安はぬぐえていない。

 広島市民球場の観客アンケートに基づく試算は「新球場には最大約8700人がマイカー約3480台で訪れる」。これに対して市は駐車場を当面350台分しか整備しない。試算通りならあふれた3000台余りで交通がまひする。

 だからこそ「新球場には徒歩で」と市は呼び掛ける。市は駐車券を入場券とセット販売する方針で、近隣に他に大きな駐車場がないことをPRしていく。同時に徒歩の移動を促すため、6億5000万円を投じて5つのハード事業を急ぐ。

【写真説明】来春のオープンへ向けて工事が順調に進む新球場。周辺の交通渋滞や人の流れの停滞を心配する声がある

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200811160064.html