記事登録
2008年11月16日(日) 09時56分

希少玄武岩に愛称付けPR中国新聞

 わが国で唯一、浜田市の長浜台地に点在する黄長石霞石玄武岩(おうちょうせきかすみいしげんぶがん)が1966年の島根県天然記念物指定以来、約40年ぶりに注目を浴びている。今春発足した住民の研究会が岩塊30個に愛称を付けてPR。記念物に指定された3カ所のうち所在不明だった1カ所もヤブから掘り出した。15日開いた説明会は70人が集まる人気ぶりだった。

 説明会で、県地学会会長でもある研究会の桑田龍三会長(70)が「600万年前に噴出した火成岩で黄長石と霞石の結晶が混在する玄武岩は世界的にも珍しい。浜田の誇りです」と解説。参加者は約2キロ歩きながら露出する岩塊を見て回った。

 桑田会長らの調査では周囲1—2キロの長浜台地がまるごと黄長石霞石玄武岩でできており、林の中に露出する岩は直径5メートル以上が16個、同2—5メートルが40個あるという。地主の協力で動物の形をしたものなどユニークな30個に「どっしり岩」「猪伏岩」などと愛称を付け、看板を立てた。

 記念物指定された1カ所は周囲が森林化したため、20年以上、「幻の岩」になっていたが、会員の日下光堂さん(69)が今夏、林をかき分けて再発見。ヤブを伐採して登山道を整備し、先月、コンクリート製の標柱を立てた。高さ4—5メートル、幅10メートル以上にわたり、そそり立つ迫力に参加者も歓声を上げた。

【写真説明】<左>日下さんが再発見した岩の露頭と、脇に設置された標柱<右>「金比羅岩」を眺める説明会の参加者

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200811160050.html