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2008年11月16日(日) 21時06分

「オグシオ」コートで抱擁、観客魅了して涙・笑顔読売新聞

 ウイニングショットを決めた潮田が泣き崩れた。タオルで涙をぬぐう小椋。有終の美を飾った「オグシオ」はコートの上で抱き合い、入場規制されるまで膨れあがった満員の観客席に、何度も笑顔で手を振った。

 3年連続で同じ顔合わせとなった決勝。五輪代表同士の緊迫した好試合は、大接戦の第1ゲームをオグシオが25−23で先取し、主導権をつかんだ。

 「1ゲーム目を取れて吹っ切れた」と、右足首をねん挫していながら強打を連発した小椋。第2ゲームは15−19から6点連取。その場面を「急に相手(の動き)が見えるようになり、冷静に戦えた」と振り返った潮田は、勝因に「2人の集中力の高さ」を挙げた。対する末綱は「勝ちたい気持ちが強すぎて空回りした」と涙を見せた。

 実業団でペアを組んで7年目のオグシオ。磨き続けたレシーブ力が発揮された。相手に思うように攻撃させない位置にシャトルを返し、相手のミスを誘う得意の形に持ち込んだ。「場慣れしており、力をうまく出し切れるのが2人の強み」と、日本協会の銭谷欽治・選手強化本部長。日本代表の朴柱奉監督も「今大会のベストパフォーマンス」と絶賛した。

 「(優勝は)厳しいという思いが強かったので、信じられない。今までの勝ちの中で一番うれしい」と潮田。バドミントンの人気を高めてきた2人は、鮮烈な記憶をファンに残し、オグシオの戦いに幕を閉じた。(大野展誠)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081116-00000033-yom-spo