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2008年11月16日(日) 19時12分

露大統領が講演、オバマ次期政権下での関係改善に期待読売新聞

 【ワシントン=黒瀬悦成】金融サミット出席のためワシントンを訪問中のロシアのメドベージェフ大統領は15日、米政策研究機関「外交評議会」の会合で講演し、米露の信頼関係が「危機的状況にある」との認識を示し、オバマ次期政権下での関係改善に期待を表明した。

 メドベージェフ氏は、オバマ氏が来年1月20日に大統領に就任し次第、「遅滞なく、前提条件なしに会談する」と強調。米露間の最大懸案の一つである、米国によるミサイル防衛(MD)システムの東欧配備問題に関しても「対話の用意がある」と述べた。

 ただ、メドベージェフ氏は、米大統領選直後の今月5日、MDへの対抗措置としてロシア西部のカリーニングラードに短距離ミサイル「イスカンダル」の配備を表明するなど、対決姿勢を逆に鮮明にしている。同氏はミサイル配備について、「(米国に)対抗を強いられた。今後は米国が動かない限り、我々は何もしない」と述べ、オバマ氏にMD計画の凍結を暗に要請、非妥協姿勢を崩さなかった。

 大統領選でオバマ氏が勝利した直後の「ミサイル配備」表明が、米国ではオバマ氏への「挑発」と見なされていることに関しては、「これまで言いそびれていた政策方針を、偶然その日に言っただけだ。米国での一大政治行事については、完全に失念していた」と冗談交じりに述べた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081116-00000026-yom-int