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2008年11月15日(土) 16時50分

オバマ氏不在の金融サミット 距離置いた「陰の主役」東京新聞

 【ワシントン15日共同】緊急首脳会合(金融サミット)に、オバマ次期米大統領は姿を見せなかった。ブッシュ大統領主催の会合と距離を置き、新政権発足後の金融危機対策でフリーハンドを保ちたいとの思惑があるが、2カ月後には米国の指導者となる「陰の主役」の不在は、会合の実効性に影を落とした。

 オバマ氏はワシントンでのサミット開催中、地元シカゴにとどまった。初日の14日はジムに行った後、政権移行チームの事務所に寄るなどの日課を淡々とこなし、午後7時半には自宅に戻った。

 サミットに参加する各国首脳は当初こぞって、次期大統領との会談の機会を探った。しかしオバマ氏は「今の大統領はブッシュ氏」として個別の会談に応じず、サミットにも参加しない方針を決めた。

 オバマ氏は金融危機を招いた責任はブッシュ政権にあると選挙戦で繰り返し批判、勝利への原動力となった。

 就任前にブッシュ氏と並んでサミットに出席すれば、ブッシュ政権の任期が続く今後2カ月間の経済状態にまで責任を押しつけられかねない。ここでブッシュ氏と一蓮托生になり、新政権発足後の政策の選択肢をわざわざ狭める必要はないとの判断が働いたようだ。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008111501000431.html