記事登録
2008年11月15日(土) 09時36分

米高官、田母神氏更迭は「適切」 未来志向のアジア関係を東京新聞

 【ワシントン14日共同】米国務省高官は14日、歴史認識に関する政府見解を否定する論文を発表した田母神俊雄前航空幕僚長を日本政府が更迭したのは「適切だった」と述べ、中国侵略や朝鮮半島の植民地支配を正当化する人物が自衛隊の要職に就いているのは好ましくないとの考えを示した。

 高官はその上で「日本が(中国や韓国など)アジアの隣人と未来志向の関係を築くことが極めて大切なのは明白だ」と強調。近隣諸国が受け入れ難い歴史認識を日本政府や自衛隊の幹部が公然と示し、関係を悪化させることのないよう促した。共同通信とのインタビューで語った。

 田母神氏の更迭問題をめぐり、米政府高官が見解を表明したのは初めてで、緊急首脳会合(金融サミット)出席のためワシントンに滞在している麻生太郎首相に対し、こうした問題を再び起こさないようくぎを刺した格好だ。

 高官は、論文問題は「日本の内政問題」と前置きしながらも「論文の主張にはくみせず、政府見解と異なるという点をはっきりさせるため、日本政府が迅速に適切かつ決然とした行動を示したことに、米政府やアジア諸国は安心している」と述べた。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008111501000187.html