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2008年11月15日(土) 22時51分

ウナギ産地偽装で魚秀社長ら8人逮捕スポーツ報知

 中国産ウナギの産地偽装事件で兵庫、徳島両県警の合同捜査本部は15日、不正競争防止法違反(虚偽表示)の疑いで、新たに徳島市を拠点とする水産物輸出入販売会社「魚秀」の社長中谷彰宏容疑者(44)らを逮捕した。逮捕者は、神戸市の水産物卸売会社「神港魚類」の元担当課長北本順一容疑者(40)らと合わせ8人になった。

 捜査本部は、8人が偽装工作や帳簿上だけの取引に関与したと判断。架空会社や複数の業者が介在し、多額の現金が動いた事件の全容解明を目指す。一連の取引で約1億8000万円の不正な利益が生じたとみられ、詐欺容疑での立件も視野に調べを進める方針。

 新たに逮捕されたのは中谷容疑者のほかに、魚秀の福岡営業所長川上智行(41)、高松市の水産物加工会社元役員稲山恵誉(44)と弟の盛正(36)、魚秀の非常勤役員で高知県の水産物加工会社役員横山圭一(39)、同社員上ノ段勝(40)、東京の水産食料品製造会社社長佐藤弘一(56)の六容疑者。

 北本容疑者は「偽装された商品と思っていなかった」と否認。帳簿上の取引に関与した佐藤容疑者も否認しているという。

 調べでは中谷容疑者らは共謀し、今年2—4月に高松市内で中国産ウナギのかば焼きを「愛知県三河一色産」などと印刷された段ボール箱に詰め替えて偽装、3—4月に京都府京丹後市、山口県岩国市などの9業者に20箱(約200キロ)を販売した疑い。

 稲山容疑者は約1億円で偽装工作を請け負い、佐藤容疑者は横山容疑者の働き掛けを受け、帳簿上の取引にかかわり、手数料を受け取ったとされる。

 中谷容疑者は発覚後に「ギョーザ中毒事件などで中国産ウナギの売れ行きが不振になり、中国ものの在庫をさばきたかった」と説明していた。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081115-OHT1T00201.htm