記事登録
2008年11月14日(金) 11時52分

失業給付の受給者が増加 9月、1年4カ月ぶり東京新聞

 9月の雇用保険の失業給付受給者が前年同月比2・6%増と、1年4カ月ぶりに上昇したことが14日、厚生労働省の調べで分かった。景気後退による雇用情勢の厳しさを示した形だ。新たな受給者数も増えており、経済危機が長引いて「職の不安」が拡大すれば、消費などに悪影響を広げる恐れがある。

 厚労省によると、季節労働者などを除く一般求職者の失業給付受給者は、2007年度まで6年連続で減少し、今年3月には50万人を切った。しかし、7月以降は60万人を超え、9月は約60万6000人と、昨年5月以来のプラスとなった。

 新たに失業給付を受ける人も増加基調。9月は前年同月比12・5%増と跳ね上がり、08年度が01年度以来の増加となる可能性もある。積立金は3月末で約4兆9000億円に達しており、政府は追加経済対策に雇用保険料率引き下げの検討を盛り込んだ。しかし、給付が増加すれば、保険料率引き下げや国庫負担廃止論議にも影響を与えそうだ。

 雇用不安の中で深刻なのは家族を支える中高年者だ。ターミナル駅に近い「ハローワーク新宿」(東京)では、失業給付中の人を除き新たに仕事を求める45歳以上の人が9月、前年同月から2割近く増えた。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008111401000169.html