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2008年11月13日(木) 00時56分

<EU>競争法違反で旭硝子など4社に制裁金1700億円毎日新聞

 【ロンドン藤好陽太郎】欧州連合(EU)の欧州委員会は12日、自動車用の板ガラス販売をめぐり、旭硝子や日本板硝子の英国子会社ピルキントン、フランスのサンゴバンなど4社がEU競争法(独占禁止法)に違反したとして、総額約13億8389万6000ユーロ(約1700億円)の制裁金の支払いを命じた。競争法違反の課徴金としては過去最高。

 内訳は、サンゴバン8億9600万ユーロ、ピルキントン3億7000万ユーロ、旭硝子1億1350万ユーロ、ベルギーのソリバー439万6000ユーロ。サンゴバンへの制裁金は、1社として過去最高。

 4社は1998年から03年ごろ、欧州主要都市のホテルや空港などで定期的に会合を開催。ガラスの販売を決めるなど価格カルテルを結んだほか、顧客の割り振りや情報の交換をしていた。欧州の自動車向けガラス市場は年20億ユーロに上り、4社が市場の9割を握る。

 クルス欧州委員(競争政策担当)は「これらの企業は、自動車メーカーや消費者を5年間も欺いてきた。今後も欺く企業があれば、重い制裁金を科す」と強調した。

 旭硝子は調査に協力したため、制裁金を半額免除された。サンゴバンは違反を繰り返したため、割り増しとなった。

 欧州委は昨年2月、域内のエレベーター販売で価格カルテルを結んだとして、欧米のエレベーター製造大手4グループと三菱電機のオランダ子会社に総額約9億9200万ユーロの支払いを命じ、これまでの過去最高だった。

 制裁金に不服がある場合、欧州第1審裁判所(ルクセンブルク)に提訴して争うことができる。

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