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2008年11月13日(木) 18時13分

新薬師寺金堂、大仏殿しのぐ大きさだったスポーツ報知

 奈良市の奈良教育大構内で見つかった8世紀半ばの新薬師寺金堂(七仏薬師堂)跡の東西幅が想定より14メートル長く、約68メートルにも及ぶことが分かり、13日、同教育大が発表した。江戸時代に再建された東大寺大仏殿(幅57メートル)をしのぐ規模。

 建物正面に幅約52メートルの階段があり、奈良時代では類例のない構造と判明。光明皇后が聖武天皇の病気平癒を願い、創建した天平伽藍(がらん)の壮大さをあらためて裏付けた。

 調査した奈良教育大の金原正明准教授(環境考古学)は「総国分寺の意味を持つ東大寺と同じように、諸国の薬師信仰を束ねる寺として建てられたため、大規模になったのだろう」としている。

 同教育大によると、最も西側と考えていた礎石の穴の西3・9メートルで、50—60センチ大の石を詰め込んだ穴を新たに発見。他の礎石の穴と同様、底面を版築(はんちく)と呼ばれる方法で突き固めていた。

 また調査地東側で、建物の基礎となる基壇の外側を飾る石組みのうち、下から2番目に置く「地覆石(じふくいし)」の列を少なくとも4メートル分確認。前回見つかった板状の石列は階段の最下段と判断した。建物周辺の溝から金堂に安置された仏像の一部とみられる破片も見つかった。

 現地特別公開は22日午前10時から。出土品は17日から奈良教育大教育資料館で展示される。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081113-OHT1T00261.htm