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2008年11月12日(水) 00時04分

1800万円以上は辞退促す 定額給付金、大枠固まる中国新聞

 政府、与党は十一日、追加経済対策に盛り込んだ総額二兆円の定額給付金の大枠を固めた。所得制限は設けないが、高額所得者には受け取りを辞退するよう促す。「高額所得」の目安として「年間千八百万円以上」を提示する方向だ。

 金額は一人当たり一万二千円で、十八歳以下の子どもと六十五歳以上の高齢者には八千円を加算する。夫婦と子ども二人の世帯には計六万四千円が支給される計算になる。

 十二日午前の自民、公明両党の幹事長、政調会長らの会合で正式決定する。市町村での具体的な支給方法など詳細に関しては総務省に十一日設置した「生活支援定額給付金実施本部」で検討する。

 名称についても自民党から「『給付金』はお上が恵んでやるとの印象がある」との指摘が出たため調整が進められたが、公明党が「定額」という言葉を残すよう求めたこともあり変更しない方向となった。

 所得制限をめぐっては与謝野馨経済財政担当相が設けるよう主張していたが、十一日午前の記者会見で、麻生太郎首相が表明した高所得者の自発的辞退方式について「(首相の考えを)理解して、それに沿った案をつくっている」と述べた。また「所得制限をすると、すばやく給付するためには大きな障害になる」と説明した。

 実施には、二〇〇八年度第二次補正予算案とともに財政投融資特別会計の積立金を財源として活用するための法案の成立が必要とされる。

 麻生首相は給付金の年度内実施を目指すが、二次補正の国会提出時期を決めていない状況。「ばらまき」と批判を強めている民主党が参院で抵抗すれば、参院送付後六十日経過を待っての衆院再可決の可能性もあり、具体的な実施時期は見通しがついていない。

 また、実施時期は衆院解散時期とも絡むとみられ、野党からは「票を金で買おうという悪質な選挙買収だ」(国民新党の亀井静香代表代行)との指摘が出ている。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200811120119.html