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2008年11月12日(水) 00時04分

「関東大震災はチャンス」 東京一極集中で兵庫県知事中国新聞

 兵庫県の井戸敏三いど・としぞう知事は十一日、和歌山市で開かれた近畿ブロック知事会議で、東京一極集中を挙げ、関西経済にとって「関東大震災が起きればチャンスだ」と述べた。

 井戸知事は同日夜、神戸市内で記者団に「言葉遣いが適切でなかったということは反省しなければならない」と釈明。さらに「関東で震災が起きたときに、関西が首都機能を引き受けざるを得ないという意味だった。大災害が望ましいとは言っていない」と強調した。

 阪神大震災の被災地の知事発言に各地の反発は必至だ。

 会議では近畿二府四県と周辺県の知事が、地方分権や近畿地方の経済について議論。井戸知事は「関東大震災が起きれば相当ダメージを受けるから、これはチャンスですね」と述べた。

 その上で「チャンスを生かさなきゃいかん。そのための準備をしておかなきゃいかんということが物理的にはある」として、企業を関西に呼び戻すことが必要と訴えた。

 さらに金融やマスコミの機能が東京に集中している現状に触れ、防災首都機能の移転が不可欠だと指摘した。

 会議終了後の記者会見で大阪府の橋下徹はしもと・とおる知事は「不適切発言ばかりの僕から見ても、不適切だったかなと思う。真意を測ると、(都市の)バックアップ機能が必要だということだ」と擁護。滋賀県の嘉田由紀子かだ・ゆきこ知事は「大震災から立ち直り、今も財政的に苦労している井戸さんだからこそ、公の場でも許される発言ではないか」と話した。

 井戸知事は旧自治省出身。阪神大震災翌年の一九九六年に副知事に就任、二〇〇一年に知事に当選した。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200811120107.html