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2008年11月12日(水) 00時00分

アーバン社債取引「不適切」中国新聞

 民事再生法適用を申請した不動産開発、アーバンコーポレイション(広島市中区)の情報開示問題で、社債を引き受けたフランスの金融グループ、BNPパリバ証券東京支店(東京)の外部検討委員会(委員長・松尾邦弘弁護士)は11日、パリバの対応を「投資家と市場を軽視した不適切な行為」とする調査報告書をまとめ、インサイダー取引の可能性を指摘した。

 報告書によると、アーバンは6月、パリバを引受先に転換社債300億円を発行すると発表したが、同時に結んだスワップ契約で株価が下がると調達額が減る内容を開示しなかった。財務が改善したとみてアーバン株を買った人も多かったが、実際の調達額は91億2500万円だった。

 アーバンは当初、スワップ契約を開示する意向だったが、パリバが非開示を働き掛けた。契約はパリバが社債を株式に転換し、市場で売って得た資金の一部をアーバンに支払う仕組み。株価が高い方が両社ともメリットが大きく、開示は株価を下げる要因だった。

 「重要な事実」を開示せずパリバが進めた株式売却について、報告書は「インサイダー取引に該当する可能性が高い」とした。ただ売却が機械的に繰り返された点から、松尾委員長は「形式的には該当しても、違法性が高いとは必ずしも言えない」と説明した。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200811120103.html