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2008年11月12日(水) 00時00分

安野さん、澤地さんとトーク中国新聞

 島根県津和野町出身の画家安野光雅さん(82)が10日夜、同町後田の安野光雅美術館で講演した。友人で作家の澤地久枝さん(78)と芸術や人生観、現代社会の在り方などについて語り合った。

 澤地さんは、安野さんが今年の菊池寛賞に決まり、お祝いをした際、「うれしいけれど本当は名誉も金もいらないんだよ」と話したエピソードを紹介。安野さんは「がんを患ってから、今を一生懸命生きようと思うようになっただけ。芸術家は好奇心と想像力があればいい」と述べた。

 終戦直後を振り返り「都市は焼かれ食べ物もなくて悲惨だった。豊かな世の中になったけど現代人の心は貧しいね」と安野さん。澤地さんは「自然豊かな津和野で育ったからそう思うのでしょう。多くの芸術や文化は郷土愛から生まれた。みなさんも古里への誇りを忘れないでほしい」と来場者に呼び掛けた。

【写真説明】古里や芸術について語り合う安野さん(右)と澤地さん

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200811120016.html