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2008年11月12日(水) 08時05分

裁判員辞退「都合は尊重」 東京地裁、候補者に個別質問産経新聞

 来年5月に始まる裁判員制度で、東京地裁は11日、新設した「質問手続室」などを使い、候補者から裁判員役6人を選ぶ模擬選任手続きを行った。裁判員選任にかかる時間などを検証するのが狙い。

 「候補者待合室」に集合した候補者のうち、事情で辞退したい候補者は個別に「手続室」に移動。裁判官3人の向かいに候補者が着席、右手に検察官、左手に弁護人が並ぶなか、辞退理由などを述べ、質問に答える。

 この日は、集まった候補者29人中、辞退希望の10人が半田靖史裁判長の質問を受けた。辞退理由は、入院中の夫への付き添い▽椎間板(ついかんばん)ヘルニアで長時間の審理が辛い▽妻の出産が間近▽仕事が忙しい▽旅行予定がある−など。裁判所は辞退が認められるかどうか判断し、残った候補者から抽選で男女各3人の計6人が選ばれた。

 選任手続き終了後、半田裁判長は「辞退事由の質問にどこまで踏み込むのか判断が難しい。辞退事由に当たらないものもあるが、国民に負担をかけるのは適切ではなく、都合は尊重したい」と述べた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081112-00000088-san-soci