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2008年11月12日(水) 11時31分

【元Vシネ女優2回公判ライブ】(1)「ずいぶん下品な女性と思いました」と被害者の姉産経新聞

 《東京都大田区のマンションで今年1月、同居していた無職の藤家英樹さん=当時(53)=の左背中を果物ナイフで刺し、失血死させたとして、傷害致死罪に問われた元女優、木村衣里(えり)被告(32)の第2回公判が12日、予定より1分早い午前9時59分、東京地裁422号法廷で開廷した。直前に背筋を伸ばした「モデル歩き」で入廷してきた衣里被告は、黒いジャケットの中に白いシャツを着ており、ブラックジーンズをはいている。茶色がかった長い髪を胸までおろしている》

  ■写真&法廷ライブ■ 元Vシネ女優の傷害致死事件〜公判の全記録

 《前日の11日に行われた初公判で衣里被告は、「記憶がないので分かりませんが、私の意志で大切な彼を傷つけることは絶対にありません」と罪を否認。弁護人も、「衣里被告を道具に使って(藤家さんが)自傷行為をした、または第三者に刺された」と主張した》

 《これに対し検察側は、救急隊員の到着時に部屋に鍵がかかっていたことや、ナイフから第三者のDNAが検出されなかったことなどから、現場にいたのは衣里被告と藤家さんの2人だけだったと断言。藤家さんの自傷行為の可能性についても、着衣や傷の状態を根拠に否定し、「SM嗜好プレーの行き過ぎによる(衣里被告の)犯行と認められる」と結論づけた。証人として出廷した解剖医と精神鑑定医も、概ね検察側の主張に沿った証言をした》

 《こうした事実関係の争いとは別に、法廷に強烈な印象を残したのは、2人の非日常的ともいえる「SMライフ」だった。鑑定医は「藤家さんは衣里被告に携帯(電話)で目を殴らせ、その後眼科で手術することになった」「衣里被告は『殴られて非常に痛いが、その後のセックスが非常に快感』と話していた」「彼女たちのプレイはまず、掃除機のホースをつかんで振り回し、彼女の頭を殴る(ことから始まる)」などと証言。一般的には到底理解不能だが、今回の事件の真相を考えるためには、重要なエピソードなのかも知れない》

 《公判では、争点を整理する「公判前整理手続」が採用されており、きょうの夕方までに被告人質問や論告求刑が行われて早くも結審する見通しだ。20歳以上も年齢差があった“恋人”の藤家さんへの思いや、接着剤で傷口をふさごうとした奇行の理由を、衣里被告はどのように語るのだろうか》

 秋葉康弘裁判長「甲14号証の内容を告げて下さい」

 《まず検察側に対し、裁判長は藤家さんの姉の供述調書の内容を説明するよう求めた。女性検察官が立ち上がり、調書を読み始めた》

 検察官「私は被害者の藤家英樹の姉です。英樹が亡くなりまもなくのころ、衣里さんが疑われていると思っていましたが、(生前に)献身的に入院や世話をしてくれていたので不利になることは一切話しませんでした。しかし、『一方的に英樹が暴力をふるった中で起きた事件』ですとか『英樹が悪い』といった報道を聞くたび、遺族としてはやりきれません。また、『飲んではいけない』と知っていたのに酒を(藤家さんと)飲んでいたことを知り、衣里さんのことを絶対許せないと思い、洗いざらい話す気になりました」

 《検察官の口を借りた、藤家さんの姉の独白が法廷に響く。姉は藤家さんの3歳年上で、同じアパートに住んでいた。衣里被告との出会いは強烈な印象だった》

 検察官「今から8年ぐらい前、夜中にアパートの前で怒鳴りまくっている女の声がしました。見ると、スタイルがいい若い女性が携帯を耳に当てて『…じゃねーか』『てめえ』などと怒鳴りまくっていました。ずいぶん下品な女性と思いました。英樹がその声に合わせてなだめている声が聞こえて、『彼女だ』と思いました」

 「そのころ大声で下品にわめいているのを5、6回見ましたが、いつも一方的にわめいていて、英樹がなだめていました。英樹の車のボディがへこんでいたので前妻が理由を聞いたら、『彼女からやられちゃった』と話していました」

 《藤家さんの姉が衣里被告と言葉を交わしたのは、昨年6月、肝硬変で藤家さんが治療を受けていた昭和大学病院だった。姉は『初対面では感じが良く、思っていたのと印象が違うと思った』という》

   =(2)に続く

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