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2008年11月11日(火) 21時59分

<オバマ次期大統領>アジア政策、陣容焦点 「対日」抑制的毎日新聞

 【ワシントン及川正也】次期米大統領に決まった民主党オバマ上院議員の政権発足準備が進む中、アジア政策を担当する陣容固めも焦点になっている。オバマ氏の外交顧問らは、金融危機をめぐる20カ国・地域(G20)首脳会議が14日からワシントンで開かれる際、アジア政策について関係の代表団と意見交換する方針だ。

■対中政策に照準

 オバマ氏のアジア政策は中国に重心を置いている。中国とは「協力と競争」をキーワードに戦略的関係を構築したい考え。外交顧問団も次期政権のアジア政策で「対中政策は大きな課題になる」との見方が支配的だ。

 一方、オバマ氏は6日の麻生太郎首相との電話協議で、地球温暖化対策などグローバルな課題を推進するためにも「日米同盟を強化したい」と表明。日米関係重視の姿勢に変化がないことを重ねて強調した。

 ただ、強固な日米同盟を基軸に世界戦略を練り上げてきた共和党政権とは温度差がある。日本の「役割拡大」を目指す共和党に対し、民主党は日本の軍事的役割の拡大についても「日本がやりたくないことを米国は押し付けるべきではない」(ジャヌージ米上院外交委員会上級スタッフ)と抑制的な姿勢だ。

 日米中3カ国の関係でも日中関係の悪化に懸念を示し、「介入主義」も辞さない構えを示している。

■ヒル氏去就関心

 オバマ氏のアジア政策チームは中国専門家が多い。戦略国際問題研究所(CSIS)のミッチェル上級研究員は、国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長などアジア部門の要職に就くとみられている。同氏はクリントン前政権時代の国防総省日本担当部長でもあり、在日米軍基地再編問題にも詳しい。

 また、対日政策の専門家としては、副大統領に就任するバイデン上院議員に近い上院外交委員会のジャヌージ上級スタッフ、民主党系シンクタンクのオグデン氏、スタンリー財団のシーファー氏らの政権入りが指摘されている。

 いずれも日本生活の経験がある中堅で、オバマ氏のアジア政策をサポートしている。北朝鮮核問題を担当するヒル国務次官補の去就も関心を集めており、一部には政権残留の可能性も指摘されている。

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