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2008年11月11日(火) 02時30分

<民主党>給油延長法案めぐり不協和音 執行部へ異論顕在化毎日新聞

 インド洋給油活動を延長する新テロ対策特別措置法改正案の早期採決を容認する方針を巡り、民主党内で不協和音が生じている。執行部は14日にも参院本会議で否決し、与党の衆院での3分の2の多数による再可決を容認する構え。しかし、西岡武夫・参院議院運営委員長(民主)が10日、北沢俊美・参院外交防衛委員長(同)と会い、「麻生太郎首相が外交防衛委に出席してシビリアンコントロールに関する集中審議を開かなければ(法案採決の)本会議を開かない」と表明。党内にくすぶる執行部への異論が顕在化した。

 執行部は「『審議引き延ばし』は解散先送りの口実に利用される」と警戒して早期採決を容認してきたが、首相が年内衆院選の先送りを決断した後も方針を変えていない。歴史認識に関する政府見解に反する論文公表で田母神俊雄・前航空幕僚長が更迭された後も、「田母神氏の参考人招致が実現すれば採決する」と与党に持ちかけてきた。

 一方、西岡氏は、田母神氏の問題への強いこだわりから早期採決に抵抗する。7日の会見では「この問題をあいまいにしては(第二次世界大戦で)多くの犠牲を払った上で作った体制を揺るがす」と危機感を語っており、西岡氏の説得は「一筋縄ではいかない」(参院ベテラン)との見方が党内に強い。

 西岡氏以外にも「なぜ、首相の訪米の手土産をわざわざ用意してやるのか」(若手)、「首相が解散しないのはねじれ国会の厳しさを知らないから。給油延長法案をすんなり成立させては、首相は『ねじれ』の厳しさを知らないままだ」(中堅)といった指摘がされている。こうした不満と西岡氏の抵抗が結びつけば、「14日採決」の執行部方針に影響が出る可能性もある。【田中成之】

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