記事登録
2008年11月11日(火) 01時05分

AIG、純損失2・4兆円 米政府、14兆円新支援も中国新聞

 【ニューヨーク10日共同=美濃口正】経営危機に陥り、米政府の管理下に置かれた保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は十日、二〇〇八年七—九月期決算を発表し、純損失が二百四十四億六千八百万ドル(約二兆四千億円)に達した。米政府による新たな支援の枠組みも公表された。

 新たな枠組みについて九日付の米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は、米政府が救済策を拡大し、総額千五百億ドル(約十四兆八千五百億円)の公的資金による支援を実施することでAIG側とほぼ合意したと報じた。

 同紙によると、政府は四百億ドル規模の優先株を購入する形で資本も注入。さらに、AIGが保有する不良資産の買い取りなどに五百億ドルを投じ、これまでの資金繰り支援を中心とした枠組みから、価格下落が懸念される金融商品の買い取りにも踏み込む。

 AIGが九月中旬、事実上の政府管理下に置かれてから二カ月足らずで支援規模が膨れ上がることになり、巨額の公的資金を投入し続ける“歯止めなき救済”に批判が高まりそうだ。

 同社は現在、米政府が九月に決めた八百五十億ドルと十月の追加措置三百七十八億ドル、計千二百二十八億ドルの資金支援枠を持つ。

 新たな合意では融資額は六百億ドル。返済期限をこれまでの二年から五年へ延長すると同時に、金利水準を現在の年10%程度から5%強引き下げ負担を軽減するなど、当初の救済条件を大幅に緩和する。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200811110078.html