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2008年11月11日(火) 06時02分

流行語が消える!?「いいネタが少ないね…」スポーツ報知

 現代用語の基礎知識が選ぶ「2008ユーキャン新語・流行語大賞」の候補が10日、自由国民社から発表された。前首相の逆ギレ迷言に、料亭女将の羞恥(しゅうち)心なきささやき自爆。蟹工船にホームレス中学生、さらには最後の最後でこけた伝説から、果ては星野ジャパン落球王の決めゼリフまで「言うよね〜」と話題となった60語がノミネートされた。大賞・トップテンは12月1日に発表される。

 「日曜日のすし屋みたいに、いいネタが少ないね…」と苦笑するのは放送プロデューサーのデーブ・スペクター氏。例年に比べインパクトに欠けるとしながら、「強いて選ぶなら『あなたとは違うんです』というアホな発言」と退任会見で、報道陣に逆ギレした福田康夫前首相を“本命”に挙げた。「自分のことを客観的になんか見られるわけないのに。頭はいいはずの首相が、むきになって言ってしまった」

 デーブ氏は「ささやき女将」として、不本意なブレークを果たした船場吉兆の元女将・湯木佐知子氏にも注目。「『頭が真っ白になってしまいました』とか、どの“ささやき”をピックアップするかが楽しみ」とし「どちらも何の計算もなく偶発的に出てしまった言葉だから面白い」と受賞を期待した。

 一方で「最近、この賞は授賞式に出席してくれる人を優先して選んでいるのでは、という感じがする。それがあるから米のゴールデン・ラズベリー賞(最低の映画を選ぶ賞)のように面白おかしく選べない。福田さんが来るわけないんだから」と選考の舞台裏を深読みしている。

 コラムニストの小田嶋隆氏はさらに辛口。「この10年で、どんどん流行語の寿命が短くなっており、もはや賞としての意味がなくなっている。商売ずく、やらせ臭すら漂います」。インターネットなどメディアの多様化で、全世代を横断するような言葉がなくなっているのが、その原因だという。「『ぶりっこ』のような確かな言葉がなくなった。芸能人の一発ネタはもういい。来年は恥ずかしくて『グ〜!』なんか消えてほしい」

 それでも「キターー!!」については「単に山本高広のギャグとしてではなく、5年ぐらい前から、ネット掲示板の2ちゃんねるで日常会話として定着している言葉」と評価。また「サブプライム」も「ローンの話だけじゃなく『2級品の』という意味で『サブプライム・スーツ』などと組み合わせて応用するのが流行しつつある」と説明した。

 昨年、大賞に輝き話題となった「どげんかせんといかん」(宮崎県・東国原知事)、「ハニカミ王子」(石川遼)のような、決定打がないだけに選考は例年にない混戦となりそうだ。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081111-OHT1T00087.htm