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2008年11月11日(火) 12時40分

【元Vシネ女優初公判】冒頭陳述(2)「第3者のDNA型は検出されていない」産経新聞

 2犯行現場は被告人宅であること

 この事実は、以下の(1)〜(4)の各事実により立証する。

 (1)被告人宅のベッド上に被害者の血痕があったこと。

 被告人宅のベッド上には被害者の背中の刺し傷から流れ出た血液が付着していた。

 (2)被害者は、午前5時ごろ、被告人宅マンションに帰宅した際、背中に刺し傷はなかったこと。

 被害者は平成20年1月26日午前4時45分ごろ、1人で被告人宅を出てコンビニエンスストアへ。午前4時51分ころ、被害者と応対したコンピニエンスストア店員は、被害者に何の異常も感じなかった。その後、被害者を道路上で見かけた新聞配連員も被害者に何の異常も感じなかった。

 被害者は、午前5時ごろ、被告人宅マンションに戻ったが、玄関エントランス及びエレベーター内に設置された防犯カメラに撮影された被害者には何の異常もなく、また被害者の背中に刺し傷は見られなかった。

 (3)被害者は午前6時40分には背中に刺し傷を負って室内にいたこと。

 被害者の背中の刺し傷から出血が止まらなかったため、被告人は午前6時40分ごろ、被告人宅から119番通報した。

 (4)凶器である本件果物ナイフは、犯行前後を通して被告人宅にあったこと。

 本件果物ナイフは、犯行前から被告人宅に存在し、被告人や被害者が料理の際に使用。そして、犯行当日の検証の際、被告人宅から発見された。すなわち、本件果物ナイフは、外部から持ち込まれたものではない。

 以上の4つの事実から犯行場所が被告人宅であることを明らかにする。

 (5)被告人宅以外から発見された血痕は本件と関係ないこと。

 なお、マンション内の被告人宅以外からも血痕が発見されたが、これは、被害者が口から吐いたもので、背中の刺し傷とは関係がない。

 この点について、以下の事実から明らかにする。

 午前5時ころ、被害者が被告人宅マンションに戻った際、玄関エントランス(1分48秒進んでいるビデオの時間で午前5時0分2秒ごろ)及びエレベーター内(同午前5時2分19秒ごろ)において、何かを吐き出すしぐさをする被害者の様子が防犯カメラに撮影され、実際にもその場に血痕のようなものが付着していた。

 本件犯行当日の検証の際、玄関エントランス床面及びエレベーター内などから血痕のようなものが採取され、鑑定の結果、被害者のDNA型と一致したが、唾液ようのものの混在が証明された。

 被害者は肝硬変のため、止血しにくい症状があり、口腔内で出血すると血が止まらず、歩行中に頻繁に血の混じった唾を吐く行為を繰り返すことも十分あり得る状態だった。

 以上の事実から、マンション内の被告人宅以外から発見された血痕は、被害者が口から吐いたもので、背中の刺し傷とは全く関係がないことを立証する。

 さらに、以下の事実も併せて立証する。

 被害者のジャンパーの刃物が刺さった痕跡のある部位には、血痕が付着していない。つまり、被害者の背中の刺し傷からの出血が被告人宅以外の場所に付着したとすれば、ジャンパーの刃物が刺さった痕跡のある部位にも血痕が付着しているはずであるが、そのような事実はない。

 以上の事実は、コンビニエンスストア店員や新聞配達員の供述、防犯カメラの映像、119番通報内容に閔する回答書、被告人宅の検証調書、血痕の鑑定書、防犯カメラの映像、被害者の主治医の供述、被害者のジャンパーの痕跡などにより立証する。

 3 犯行現場にいたのは被告人と被害者のみである(第3者の犯行ではない)こと 

 この事実は次の事実により立証する。

 (1)犯行現場にいたのは被告人と被害者のみであること。

 被告人と被害者は、犯行前日夜から2人のみで行動し、犯行当日午前0時43分ごろ、2人で被告人宅に帰宅。その後、被害者は午前4時45分ごろ、1人で外出し、午前5時ころ、1人で被告人宅マンションに帰宅しており、その間、行動を伴にした第3者はいなかった。

 そして、救急隊員が午前6時46分ごろ、被告人宅に到着した際、玄関は施錠されており、救急隊員が呼び鈴を2回くらい鳴らしたところ、被告人が鍵を開けた。そこで、救急隊員が室内に入ると、中には被告人と被害者のみがいた。

 この事実から、犯行当時、被告人宅は密室状態であり、そこには被告人と被害者しかいなかったことを明らかにする。

 さらに、第3者の犯行を疑わせる事情が一切ないことについて、以下の事実から立証し、犯行現楊にいたのが被告人と被害者のみであったことをより一層明らかにする。

 (2)第3者の犯行を疑わせる事情は一切ないこと。

 被告人は、119番通報した際も被告人宅に救急隊員が臨場した際も、第3者が室内に侵入したなどという話は全くしていなかった。すなわち、被告人は119番通報の際も、被告人宅に臨揚した救急隊員にも被害者のけがの状態などについて、ある程度具体的な話をしたが、第3者が室内に侵入したことを疑わせるような言勧は一切なかった。

 被告人宅玄関から足跡が採取されたが、これは臨場した救急隊員の履物底模様に類似しており、第3者の侵入を伺わせるものではない。

 凶器である本件果物ナイフから、被告人及び被害者と一致するDNA型のみが検出された。つまり、第3者が本件果物ナイフを使用したとすれば検出されるのが自然である第3者のDNA型は検出されていない。

 以上の事実は、被告人と被害者の行動をまとめた捜査報告書、救急隊員から事情聴取した結果をまとめた聴取報告書、119番通報内容に関する回答書、遺留足跡等対象結果通知書などにより立証する。

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