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2008年11月11日(火) 15時06分

【元Vシネ女優初公判ライブ】(8)「ケガして帰ってきた」元女優供述ウソか 目撃者調書は…産経新聞

 《検察官は続いて、事件に巻き込まれる直前に1人で買い物に出かけたとされる藤家英樹さんについて、現場マンションの周辺にいた目撃者2人の供述調書の朗読に入った。1人目は、26日午前4時50分ごろ、藤家さんが1人で酒を買ったとされている(東急多摩川線)鵜の木駅前にあるコンビニエンスストアの店員だ》

  ■写真&法廷ライブ■ 元Vシネ女優の傷害致死事件〜初公判全記録

 検察官「私は1月26日午前4時50分ごろ、常連の男性客に酒類を売った記憶があるのでお話しします。私は店内で飲み物などの補充を行っていましたが、レジによく見かける常連の男性客が立ったので、接客のためにレジに入りました」

 《店員の供述調書を、わかりやすくゆっくりと読み上げる検察官。続いて、店員が目撃した藤家さんとみられる男性客の特長を説明していく》

 検察官「男性客は60歳前ぐらいに見え、いつも、スタイルが良く美人の30歳ぐらいの女性を連れ、1週間に2、3回は買い物に来ていました。当日は1人で、瓶に入った酒とロング缶に入った酒を1本ずつ買っていました」

 「その時、男性客は私に対して『○○はなくていいよ』と話していました。なんと言っていたか思い出せませんが、顔をしかめることもなく、普通に話をしていました」

 《事件当時、駆けつけた警察官に『夫がけがをして帰ってきた』とも説明していた木村衣里被告。事件直前に藤家さんを目撃した証人の話から、検察官は藤家さんが外出中に事件に巻き込まれた可能性はないことを証明しようとしているようだ》

 検察官「男性客は買い物袋を持って店の外へ出ていったが、ゆっくりと普通に歩いており、千鳥足だったりふらついたりということはありませんでした」

 《検察官は、スクリーンにコンビニのレジ脇にある防犯カメラの映像を3枚表示した。それらの映像を指し示しながら、調書の朗読を続ける》

 「その後、レジの様子が映った店の防犯カメラの映像を見ましたが、(スクリーンを指しながら)その映像でも分かるように、男性客は普通に買い物をしていました。この映像を見て私は思い出しましたが、男性客は『レシートはいいよ』と言っていました。記録では、時間は4時51分前後でした」

 「私はその日、午前9時ごろまで店にいましたが、店内の床に汚れはありませんでした。汚れがあれば、すぐに見つけることができますが、血痕などがあった記憶はありません」

 《藤家さんがけがをしていれば、店内の床などに汚れが残る可能性もある。汚れがなかったという証言から、検察官は藤家さんがその時点でけがをしていなかったことを立証する狙いがあるようだ。続いて、コンビニに向かう藤家さんを目撃した新聞配達員の供述調書の読み上げだ》

 検察官「私は26日午前4時50分ごろ、鵜の木2丁目の路上で、白いジャンパーを着た50歳ぐらいの男性を見ました」

 《検察官はスクリーンに現場の地図を表示し、藤家さんとみられる男性と新聞配達員の位置関係を細かく説明しながら、朗読を続けていく》

 検察官「いつもは始発に乗るために足早に歩く人しかいない時間帯なので、買い物袋を下げてゆっくりと歩いていたその男性の姿を良く覚えています。時間は午前4時50分ごろだったと思います」

 《証言は、藤家さんとみられる白いジャンパーの男性の行動に移っていく》

 検察官「男性は買い物袋を手に提げ、後方から私の方に向かって歩いてきました。『なぜこんな時間にいるのかな』と思ったので、とても印象に残っているのです。あるマンションで新聞配達を終えると、男性はすでに私を追い越して前方にいるのが見えました」

 「私は自転車に乗り、次の配達のために自転車をこいだので男性を追い越しました。男性を振り返ると、こちらに歩いてくるのが見え、『自転車をとられたら嫌だ』と思って、その場で男性が私を追い越すのを待ってからマンションに入りました。男性はコンビニの方へ歩いていきました」

 《証言の信憑性を印象づけるためか、新聞配達員の記憶を細部まで朗読している》

 検察官「配達を終えてマンションを出ると、男性は今度はコンビニからこちらに向かって歩いていました。『よく見かけるな』と思いながら男性を見ると、持っていた荷物が増えていたような気がしたので、『コンビニで買い物をしたんだな』と思ったのを覚えています」

 《そしてここでも、藤家さんとみられる男性がけがをしたり、事件に巻き込まれた可能性がないことを証言する》

 検察官「その男性は左右にふらつくこともなく、最初に目撃した時と変わらない様子でゆっくりと歩いていました。私の方に歩いてきていたので、話しかけられたら嫌だなと思って急いで次の配達先のマンションに入りました」

 「配達を終えて外に戻ると、もう男性の姿は見えなくなっていました。来た道を自転車で帰りましたが、家に着いたのはいつも通り午前5時5分ごろでした。いつもこの時間なので間違いありません」

 《検察官は、先ほど示したコンビニの防犯カメラに写った藤家さんとみられる男性の映像を、再度スクリーンに示した。その映像を新聞配達員に見せたことを説明し、朗読を続ける》

 検察官「防犯カメラの画像を見ましたが、私が見た男性は買い物している男性に間違いないと思います。ちなみに、私が男性を目撃していた時間帯に、付近でケンカや言い争いをする声を聞くことはまったくありませんでした」

 《藤家さんの足取りを追うように、事件当時の状況を調書で明らかにしていく検察官。舞台はコンビニ店内や路上から、現場となったマンション室内へと移っていく》

    =(9)に続く

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