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2008年11月11日(火) 14時16分

【元Vシネ女優初公判ライブ】(5)彼の背中の刺し傷を接着剤で塞いだ経緯は…産経新聞

 《これまで、元女優の木村衣里被告(32)と被害者の藤家英樹さん(53)との性生活を冒頭陳述で赤裸々に述べてきた弁護人。続いて陳述は事件当日の状況について言及される》

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 女性弁護人「(犯行当日の)1月26日午前0時43分ごろ、買い物から帰った木村さんはシャワーを浴び、ベッドに入りました。藤家さんはセックスをしようと木村さんに求めましたが、木村さんはそのまま眠ってしまい、その後の記憶はありません」 

 《衣里被告はなぜ藤家さんを刺し、そして背中を瞬間接着剤で塞いだのか。いよいよ弁護人の陳述は核心部分へと触れる》 

 女性弁護人「気が付くと、藤家さんと床でセックスをしていましたが、セックスの最中に、藤家さんから『衣里、背中みて』と言われました」

 《弁護側は、藤家さんが「自傷行為」で自分の背中を刺したことを示唆しているようだ》

 女性弁護人「木村さんは血も出ていなくたいした傷ではないと思ったので、『切り傷みたい』と言いますと、藤家さんから『じゃあ瞬間接着剤塗っておいて』と言われたので、木村さんは背中に瞬間接着剤を塗りました」  

 《犯行後に愛する男性をを刺してしまった後悔の念から刺し傷を塞いだのか、それとも“儀式”だったのか、事件発生当時からナゾを呼んでいた意味不明の行動。瞬間接着剤は藤家さんが求めたものだったと弁護人は言うのだ。弁護人はさらに続ける》

 女性弁護人「(瞬間接着剤を塗る行為は)藤家さんが『けがの手術でも使っているものだ』と言ってまして、これまでも切り傷ができた際には使っており、この時(犯行当日)も使いました」 

 《弁護側は、日常的に藤家さんの自虐行為のたびに瞬間接着剤を切り口に塗っていたということを明らかにした》

 《拘置所生活での疲れを感じさせないほど、ロングヘアーで美貌(びぼう)の衣里被告は黙って聞き入っている。瞬間接着剤を手術で使うなど、本当に信じていたのだろうか…。弁護側は弁論のまとめに移った》 

 女性弁護人「記憶がないときに何があったのでしょうか。犯行当日も暴力を受けて脳震盪(しんとう)となりました。この時も部屋の中はめちゃめちゃで、部屋でセックスをしていたという記憶だけです。藤家さんの自傷行為など第三者の犯行も否定できませんが、仮に木村さんが刺しても善悪の判断ができない状態で、責任能力はなかったと考えます」

 《脳震盪で記憶がない中での犯行であり、責任能力がなく無罪であると主張する弁護側。さらに、弁護側は藤家さんが肝硬変を患い血が止まりにくい状態であったことから、刺した行為と死亡との因果関係に疑問を示して冒頭陳述を終えた》

 《検察側、弁護側の冒頭陳述が終わり、争点が明確になった。ここで秋葉康弘裁判長が公判前整理手続きの結果について述べる》 

 裁判長「この裁判での争点は、被告が起訴状記載の突き刺す行為を行ったかどうか、(刺す行為を)行ったとして、(刺す)行為と藤家さんの死亡に因果関係があるか、被告に責任能力があるか−の3点になります」

    =(6)に続く

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