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2008年11月10日(月) 21時58分

AIGが巨額赤字、米政府支援は15兆円に読売新聞

 【ニューヨーク=池松洋】米保険最大手AIGが10日発表した2008年7〜9月期決算は純利益が244億6800万ドル(約2兆4500億円)の赤字となった。

 保有証券の担保価値下落で巨額の評価損を計上したことなどから、米大手金融機関でも異例の巨額赤字となった。

 前年同期は30億8500万ドルの黒字で、赤字決算は4四半期連続だ。

 これを受け、米財務省と米連邦準備制度理事会(FRB)は10日、公的資金によるAIG支援策を抜本的に見直すと発表した。

 支援策の見直しで、現在1228億ドルの支援額を約1500億ドル(約15兆円)に拡大する。このうち、米財務省が金融安定化法に基づく公的資金枠(7000億ドル)から400億ドルを使って優先株を取得する。保険会社への公的資金注入は初めてだ。

 また、FRBは傘下のニューヨーク連邦準備銀行を通じて、AIGが抱える損失含みの住宅ローン担保証券と債務担保証券(CDO)を買い取ることを目的とした2種類の受け皿機関を創設し、最大525億ドルを融資する。FRBはこれとは別に、AIGの資金繰り支援のために600億ドルを融資する。

 AIGは9月以降、FRBから資金繰りのための特別融資を受けていた。しかし、経営再建が進まないことに加え、実体経済が悪化していることから、財務体質強化を優先させる形で米政府が支援策を見直すことになった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081110-00000057-yom-bus_all