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2008年11月10日(月) 21時56分

島根県知事に政務調査費の一部返還命令産経新聞

 島根県が平成17年度、県議16人に支出した政務調査費計約1600万円は不適切だったとして、市民団体「オンブズ・しまね」(渡部美津子代表)が溝口善兵衛知事を相手取り、返還請求するように求めた訴訟の判決が10日、松江地裁(片山憲一裁判長)であった。片山裁判長は、元県議3人に対する支出の一部で、ガソリン代やヨーロッパ旅行での研修費など計69万円について「使途基準に反し、違法である」として、知事に返還請求するよう命じた。

 判決によると、県は政調費として元県議2人にガソリン代としてそれぞれ27万5000円と52万8385円、別の元県議に妻を同伴したヨーロッパ旅行(総額112万円)の研修費として29万円を支出した。

 片山裁判長はガソリン代について「政務調査費からの支出は使途基準に反していないが、走行1キロあたり20円を上回る部分は架空請求と推認できる」と判断。研修費は「妻との私的な観光旅行という性格がある」として、ガソリン代計約40万円と研修費29万円を政調費として違法とした。

 渡部代表は「(一部しか認められず)裁判所の常識を疑わざるをえない。控訴は、判決内容を検討して決めたい」とした。一方、溝口知事は「よく検討して今後の対応を考えたい」とのコメントを出した。

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