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2008年11月10日(月) 21時43分

<機械受注>7〜9月期落ち込み、設備投資の先送り鮮明に毎日新聞

 国内企業が設備投資を先送りする姿勢が鮮明になってきた。7〜9月期の機械受注統計(季節調整値)で民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」が過去最大の減少幅となり、企業心理が極度に悪化していることが裏付けられた。市場では「景気の本格回復は10年以降になる」との見方が大勢で、年明けにかけて景気の大きな落ち込みを懸念する声も出始めた。

 米欧、アジア新興国の景気減速や円高の影響を真っ先に受けているのは、自動車やデジタル機器など輸出型の製造業。トヨタ自動車は九州の工場などで減産に踏み切っているほか、設備投資も「相当減額する」(木下光男副社長)構えだ。

 輸出産業の減産は関連業界にも影響を与える。三菱化学は北九州市に増設した自動車用樹脂の生産工場の稼働を先送りした。「いつまで先送りするかは未定」という。自動車や電機業界の設備投資先送りを受け、工作機械大手の森精機製作所は工作機械の生産台数を今年度上半期の月650台から下半期には同500台に減らす。

 設備投資の海外(国内企業の海外工場を含む)からの受注を示す「外需」も7〜9月期は2四半期連続で減少し、内閣府は10〜12月期は同13.3%と大幅減少を予測。新日本製鉄など国内鉄鋼大手4社は、08年度の粗鋼生産量を減らす方針を明らかにするなど、生産調整の動きが連鎖的に広がりつつある。

 外需依存度が高い日本経済は、輸出環境が好転しない限り設備投資の回復も期待しにくく、「08年10〜12月期と09年1〜3月期は深い落ち込みになりそうだ」(野村証券金融経済研究所)との指摘も出ている。【尾村洋介】

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