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2008年11月10日(月) 21時40分

<塩津港遺跡>平安時代後期の木彫り神像5体出土 滋賀毎日新聞

 琵琶湖北部の塩津港遺跡(滋賀県西浅井町)を調査していた県教委は10日、平安時代後期に作られたとみられる木彫りの神像5体が出土したと発表した。「神仏習合や信仰の実態を示す貴重な資料」としている。

 神像は高さ10.5〜15.2センチで、神社本殿北側の堀(深さ約60センチ)などから出土。2体は男神、3体は女神を表し、うち2体は一対らしい。遺跡からの出土は島根県出雲市の青木遺跡(奈良時代後半〜平安時代前半)に続き2例目で、5体の出土は初めて。1185年の地震による琵琶湖の津波で、神殿ごと流されたとみられる。

 神像は6世紀に伝わった仏教の影響で仏像のように神様を像にしたもの。遺跡では他に仏堂の柱などにかける装飾具の一部なども出土。滋賀県立大の林博通教授(考古学)は「神仏習合した古代神社の祭祀(さいし)の様子を示す発見」と話している。【近藤希実】

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