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2008年11月10日(月) 14時12分

【総連事件「相棒」激白(6)完】口裏合わせ「100%ない」…詐取の犯意重ねて否定産経新聞

 《満井忠男被告の弁護人は、昨年5月31日に東京・赤坂のホテル「ザ・リッツ・カールトン東京」で行われた満井被告と(共犯とされる)河江浩司被告との会合について質問を重ねた。検察側の主張では、満井被告が河江被告に対し、中央本部の土地・建物の売買の購入資金確保が確実であると確認していたかのように装うよう指示したとされている》

 満井被告の弁護人「河江さんは『払える』と言いましたか?」

 満井被告「河江は『金の準備ができている』と言っていました」

 満井被告の弁護人「金はないが、準備の手続きはしていると言っていましたか?」

 満井被告「どこからかは知りませんが、海外送金と聞きました。Aさん(航空ベンチャー会社社長)から河江が聞いたとのことでした」

 満井被告の弁護人「金は融通できないものの、緒方(重威)被告は契約を締結しようと決めましたか?」

 満井被告「決めました。(朝鮮総連の代理人をしていた元日本弁護士連合会会長の)土屋(公献)先生も『日にちがない』というので、(緒方被告が)『僕から話してみるよ』と言いました」

 満井被告の弁護人「当日、『土屋さんの了解が取れて、契約する』という話は誰から聞きましたか?」

 満井被告「河江から聞きました」

 《質問は、同じ日の夕方、満井被告が緒方被告とすし店で会食した際の確認に移った》

 満井被告の弁護人「河江さんは来ましたか?」

 満井被告「来ました。午後6時以降に始まりましたが、(河江被告が到着したのは)20〜30分後かもしれません。(河江被告は)『Aさんと会ったが、(中央本部購入に対する出資話は)予定通り進んでいる』と言っていました。席をつくったのですが、『先があるので』と食べないで帰りました」

 満井被告の弁護人「これまでの法廷でこの話は出ていませんが、間違いないですか?」

 満井被告「間違いありません」

 《すし店の質問は、河江被告が出資は順調に進んでいることを報告したと確認するだけで簡単に終了した。弁護側は、この事実を明かすことで、この時点でも満井被告が朝鮮総連側をだます意図はなかったとアピールしたいようだ》

 《すし店の後で、いよいよ満井被告と緒方被告が、満井被告が実質支配する医療電子科学研究所に集まった会合に質問は移った。土屋氏と朝鮮総連の趙忠治常任委員(財務担当)らが集まり、総連側が緒方被告が作成した中央本部の売買契約書に署名。『商談』が成立する》

 満井被告の弁護人「『Aさんは間違いなく金を出す』と朝鮮総連側に話しましたか?」

 満井被告「そのころは(Aさんを)100%信用していました。河江からそういう報告を受けていますし、『(出資するとの)確認は取れています。大丈夫と言っています』と言いました」

 満井被告の弁護人「(この会合で)わざと嘘をついたのではありませんか?」

 満井被告「違います」

 満井被告の弁護人「払えると信じていたのですか?」

 満井被告「信じてました」

 《満井被告は、契約成立時点の5月31日においても、詐欺の犯意はなかったと強調した。検察側は4月上旬に緒方、満井両被告が総連から金をだまし取ることを決めたとしており、主張は大きく食い違う》

 《時間がなくなったためか、満井被告の弁護人は、検察からの取り調べ状況に質問の矛先を変えた》

 満井被告の弁護人「6月15日に検察から呼び出しを受けていますが、その際に日付などの記憶でしっかりしていたものはありましたか?」

 満井被告「ありません」

 満井被告の弁護人「取り調べで記憶が曖昧になったことはありましたか?」

 満井被告「『なぜ私が取り調べられているのか?』と(疑問に)思っていて、聞かれても不確実な話をしていました」

 満井被告の弁護人「15日以降に河江さんに電話して捜査状況を尋ねたことはありますか?」

 満井被告「はい」

 満井被告の弁護人「その際に口裏合わせはしましたか?」

 満井被告「100%ないです」

 満井被告の弁護人「(検察の取り調べでは)記憶のまま話しましたね」

 満井被告「そうです」

 満井被告の弁護人「ストーリーを作ったことは」

 満井被告「まったくありません」

 《満井被告が「口裏合わせはしていない」と声高に強調して今回の被告人質問は終了。弁護人の1人は閉廷後、右手でOKサインをつくり、満面の笑みを浮かべた。主張したかった点は言い切れたようだ》

 《次回は13日午前10時、同じく104法廷で満井被告人の被告人質問が行われる。満井被告の弁護人は、事実関係の確認をした後、検察側の取り調べ状況などを追及する見通しだ》

         =完

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