2008年11月10日(月) 12時41分

【総連事件「相棒」激白（２）】まとまらぬ売買交渉…「緒方先生の提案で納得」（産経新聞）

　《満井忠男被告の弁護人は、朝鮮総連中央本部の土地・建物の売買契約で、薬品会社のグループ会社から都内の弁護士グループに交渉相手が移った際の状況について質問を続けた》

　満井被告の弁護人「４月２３日に（朝鮮総連側の代理人の）土屋公献弁護士事務所で、土屋先生から『いつまでに（購入資金の件は）まとまる？』と聞かれませんでしたか？」

　満井被告「『（交渉相手が）○○先生（実名）に変わったことで少しは遅れませんかね？』と土屋弁護士から言われたので『まだ、○○先生には会っていないのでわかりませんが、やや遅れるかもしれませんね』と言いました」

　満井被告の弁護人「４月２４日のことについてうかがいますが、河江（浩司）被告が『登記費用として５０００万円預けてほしい』と言って、お金を取りにきませんでしたか？」

　満井被告「はい。２４日で間違いないと思います」

　満井被告の弁護人「２４日で間違いないと、どうやって確認したのですか？」

　満井被告「２４日に、医療電子（満井被告が実質支配する医療機器開発会社）の○○（実名）という女子社員に預かり証を作らせました。そのとき、河江（被告）の免許証を借りてコピーを添付しました」

　満井被告の弁護人「○○（実名）検事からは、２６日だと言われませんでしたか？」

　満井被告「私もそうかなと思っていましたが、保釈後、その女子社員が『４月２４日は私の誕生日だから覚えています』と言われたので、２４日だと記憶しています」

　満井被告の弁護人「弁護人を通じて聞いたのですね？」

　満井被告「はい、そうです」

　《満井被告の弁護人は朝鮮総連本部の土地・建物の売買契約日である４月２６日の関係者間のやりとりについて質問を始める》

　満井被告の弁護人「河江（被告）から（資金調達が契約日の４月２６日までに）無理だと言われたが、その理由については何か言われませんでしたか？」

　満井被告「ハーベストという河江が持っている会社があって、『社長をしていた○○（実名）という公認会計士に代わって、緒方先生（重威被告）になってもらうため、登記の変更作業に時間がかかる』と言われました」

　満井被告の弁護人「具体的にはどれぐらいかかると言われましたか？」

　満井被告「『ゴールデンウイークに入るから、１０日前後かかる』と言っていました」

　満井被告の弁護人「朝鮮総連側の対応は？」

　満井被告「誰が言ったかわかりませんが、『ともかく、買い主が法的に定まらないからしょうがないですね』という話でした」

　《売買契約は登記変更に時間がかかるため先送りとなったため、満井被告は束の間の余暇を楽しもうと緒方、河江被告と５月１０日前後に韓国旅行を企画したという。翌１１日に帰国する》

　満井被告の弁護人「韓国旅行の前に、河江から『（出資相手の）○○弁護士』に会いたい』と言ってきたので、５月１５日に日程調整をしました」

　満井被告「実際に会いましたか？」

　満井被告の弁護人「はい」

　《５月１５日に満井、緒方、河江の３被告は緒方事務所で都内の○○弁護士と会う。弁護士は３０分ほど遅れて到着。相手側は弁護士を含め６〜７人で、満井被告は「事務所の椅子が足りなかった」と振り返った》

　満井被告の弁護人「５月１５日の話の内容は？」

　満井被告「どうも話がきっちりまとまっていないという印象がありました。まず、○○弁護士から『（朝鮮総連側が払う本部の家賃代）３億５０００万円は後払いと聞いたが、それは無理だよ』と言われ、私は河江と○○弁護士の間で話がまとまっていないと思った。河江はどんな交渉をやってきたのか。もつれたまま話を持ってきたと思いました」

　《満井被告は、総連側との契約が遅れたのは、金主探し役の河江被告の“もたつき”に責任転嫁するかのように言い放った》

　満井被告の弁護人「その件はどうなりましたか？」

　満井被告「決着しました。最終的に緒方先生が『（朝鮮総連側から）プレミアムとして７億円が払われるのだから、その半分の３億５０００万円を払うということで解決するしかないですね』と話しましたた」

　満井被告の弁護人「緒方被告の提案を○○弁護士は納得しましたか？」

　満井被告「はい」

　満井被告の弁護人「そのほかにどんな話が出ましたか？」

　満井被告「○○弁護士からは『（朝鮮総連の土地・建物の）買い戻しの保証がほしい』と言われました。緒方先生が買い戻し条件を登記に載せるかどうかについて話すと、○○弁護士は『金主の名が出ない方がいい』と言われました」

　＝（３）に続く

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