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2008年11月10日(月) 23時37分

妊婦たらい回し防止 医師の情報自動で登録 厚労・経産省 新システム開発へ産経新聞

 東京都内で脳内出血の妊婦が相次いで搬送拒否された問題で、厚生労働、経済産業両省は10日、医師の稼働状況や受け入れ可否を判断できる最新鋭の情報伝達システムの共同開発を行うことを決めた。舛添要一厚労相と二階俊博経済産業相が同日、合意した。

 現在のシステムは、「空きベッドの有無」「手術の可否」など受け入れ状況を「○」「×」で表示できる東京都のネットワークシステムが周産期母子医療センターなど24医療機関を結んでいる。だが、先月上旬、都内の妊婦(36)が8病院から受け入れを断られて死亡した際には、受け入れが「○」となっていた3つの病院が、実際には搬送を断っていた。医師らが診療に忙殺され、更新が遅れたことなどが原因だった。

 このため、同問題を所管する厚労と、医療技術開発を支援する経産の両省大臣は改善策に乗り出すことで一致。具体的には、産科や脳外科といった救急にかかわる医師に位置情報を把握できる医療用携帯電話を持たせて、自動的に診療中か否かを判断できるシステムを国立病院など救急医療を扱う都内の5〜6病院へ試験的に導入させる。病院内で情報が一元化できるかを確認した上で、将来的には病院ごとのネットワーク化を実現し、救急隊も把握できるようなシステムの開発を目指すという。

 舛添厚労相は「医師は情報を更新する暇がない。早急に技術協力して、情報ギャップが起こらないようにしたい」としている。

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