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2008年11月09日(日) 19時55分

<露原潜>日本海で事故、20人死亡 放射能漏れなし毎日新聞

 【モスクワ支局】ロシア海軍などは9日、日本海で航行試験をしていたロシアの原子力潜水艦で8日、事故があり、乗員20人が死亡、22人が負傷したと発表した。海軍によると、火災消火システムの誤作動が原因という。原子炉に異常はなく、放射能漏れもないという。同原潜は9日、露極東・沿海地方の臨時基地に自力航行で到着した。

 ロシア海軍の事故では、00年8月にバレンツ海で沈没した原潜クルスク(乗員118人全員死亡)に次ぐ規模の惨事となった。今年5月に就任したメドベージェフ大統領は「ロシアの海軍力復活」を公約に掲げていただけに打撃となりそうだ。

 タス通信によると、原潜には208人が搭乗し、軍人81人のほか、原潜造船所の技師らが乗っていた。死亡したのは軍人6人と民間人14人という。事故は船首部分で発生し、火災消火に使われるガスが船室内に充満したのが原因らしい。試験航行は造船所から露太平洋艦隊への引き渡し前の最終点検だった。

 露海軍は事故にあった原潜のタイプを公表していないが、ロシア通信は、攻撃原潜「ネルパ」(アクラ2型級)と伝えた。同原潜は91年に建造が始まったが、ソ連崩壊後の混乱の中で作業が滞り最近ようやく完成していたという。

 メドベージェフ大統領は事故の原因調査をセルジュコフ国防相に命じた。露検察当局は、原潜運用の規定違反があったとみて捜査を開始した。

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