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2008年11月09日(日) 14時56分

露の原潜で事故、20人死亡 放射能漏れはなし中国新聞

 【モスクワ9日共同】ロシア通信などによると、ロシア太平洋艦隊(司令部ウラジオストク)所属の原子力潜水艦内で八日、航行試験中に事故が発生し二十人以上が死亡、少なくとも二十一人が負傷した。ロシア海軍が発表した。事故の詳細は不明だが、艦体に損傷はなく原子炉は正常に稼働しており、放射能漏れなどもないという。

 同海軍は事故を起こした原潜の名称や事故の発生場所などを明らかにしていないが、ロシア通信は関係者の話として、ロシア極東の造船所で建造され日本海で航行試験を行っていたアクラ級原潜「ネルパ」だと伝えた。ネルパは十月末に試験航海を始めていた。ロシア大統領府によると、メドベージェフ大統領は状況を逐次報告し事故原因を詳細に調査するようセルジュコフ国防相に命じた。

 事故を起こした原潜は、ウラジオストクがあるロシア極東の沿海地方に向け自力で航行中という。ロシア軍高官は同通信に対し、原潜はモスクワ時間の九日正午(日本時間同日午後六時)までに目的地に到着するとの見通しを示した。

 事故は原潜の船首部分で発生したとみられる。同海軍は消火装置が異常作動したとしている。火事が発生したのかどうかなどは不明。事故当時は計二百八人が乗艦していた。負傷者は別の艦艇に移された。死者の中には軍人のほか造船所の作業員が含まれているという。

 ロシアでは二〇〇〇年八月に北方艦隊所属の原潜クルスクが沈没、乗員百十八人全員が死亡し、同国史上最悪の潜水艦事故となった。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200811090242.html