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2008年11月08日(土) 14時00分

県雇用開発協:裏金で懇親会 02年度から5年間、カラ出張で79万円捻出 /岩手毎日新聞

 会計検査院の調査で、社団法人「県雇用開発協会」(盛岡市菜園)が、昨年4月の統合合併前の「県障害者雇用促進協会」に交付された国の補助金について、カラ出張で裏金を捻出(ねんしゅつ)し、懇親会費や職員の慰労金に使用していたことが7日分かった。
 不正額は02〜06年度の5年間で79万7130円に上り、同協会は延滞金を含む98万6400円を当時の関係者から返還させ、既に弁済した。
 県雇用開発協会は、旧県雇用開発協会と県障害者雇用促進協会が統合。独立行政法人「高齢・障害者雇用支援機構」(東京都港区)から委託を受け、高齢者や障害者の雇用支援として啓発事業などを行っている。
 会計検査院によると、県障害者雇用促進協会は1人にもかかわらず2人分の出張旅費を委託費から支出。捻出された裏金は歴代の事務局長計3人が現金で管理し、懇親会費などに72万3500円、合併前の決算処理で残業した職員(1人)への慰労金7万3630円に使われた。経理処理の際、領収書の添付などは義務付けられていなかった。
 県雇用開発協会によると、関係者は「裏金は06年度で使い切った」と証言しているというが、記録は既に廃棄され、確認できないという。高橋俊彦事務局長は「あってはならない事態でまったく申し開きできない」と陳謝した。【念佛明奈】

11月8日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081108-00000114-mailo-l03