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2008年11月08日(土) 08時02分

ネット上の「いじめ」を授業で体験 大阪・堺の高校生産経新聞

 インターネット上の掲示板やメールを使った悪質な誹謗や中傷で自殺者が出ている問題を受け、堺市南区の私立帝塚山学院泉ヶ丘高(三村浩一校長、約750人)で7日、ネット上でのいじめについて学ぶ授業が行われた。生徒はパソコンを使って実際に中傷する文章を書き込み、被害者と加害者双方の気持ちを体験した。

 パソコンでパスワードを知る生徒らだけが閲覧でき、悪口を書き込む「学校裏サイト」が流行するなど、ネット上でのいじめが問題化。平成19年7月には神戸市須磨区の私立高校で、男子生徒がインターネットサイトに写真や悪口を投稿されるなどして校舎から飛び降り自殺している。

 このような事態を受け、情報処理やインターネットについて学ぶ「情報」の授業で、普通科1年生約30人がネット上でのいじめの危険性を学んだ。

 授業では、他人のメールアドレスを使って同級生になりすまし、中傷メールを送信するいじめの事例をスライドで紹介。中傷メールが名誉毀損(きそん)罪や侮辱罪などに問われることを学んだ。

 その後、非公開の「模擬掲示板」を使って、実際に「お前なんか死んでしまえ」「喜んで葬式に行きますから」などと中傷する文章を書き込んで、加害者の立場を体験。書き込んだ文章は自分のパソコンの画面に反映され、書き込まれた被害者側の気持ちも体験した。

 授業を受けた畠山結衣さん(16)は「自分がいじめらる側になると考えるだけで辛かった。隠れて他人の悪口を言う卑怯(ひきょう)な人間は許せない」と話した。

 担当した糸川潔教諭(51)は「生徒たちが加害者や被害者になりかねないとき、今日の授業で学んだことを経験に、少しでも思いとどまったり、被害から逃れるきっかけになれば」と話していた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081108-00000000-san-l27