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2008年11月07日(金) 00時34分

日米欧マイナス成長へ 戦後初、IMF09年見通し東京新聞

 【ワシントン6日共同】国際通貨基金(IMF)は6日、10月に公表したばかりの世界経済見通しを改定し、連鎖的な金融危機の影響で2009年は日本の成長率が前年比0・2%減となるなど、米国、欧州ユーロ圏を含めた先進国経済がそろってマイナス成長になるとの予測を発表した。先進国全体がマイナスに転じれば戦後初めてとなる。

 世界経済の底割れを防ぎ金融市場を安定させるため、財政出動による景気刺激や金融緩和に向けた「国際的行動」が必要と強調した。

 サブプライム住宅ローン問題で金融危機の震源地となった米国は0・7%減(10月時点では0・1%増)、欧州連合(EU)欧州委員会が「景気後退局面」と認めたユーロ圏は0・5%減(同0・2%増)とみている。

 世界経済のけん引役とされる中国は8・5%増と前回より0・8ポイント引き下げ。世界全体も2・2%増(同3・0%増)へと引き下げた。

 前回見通しでは、日米両国とユーロ圏を0・1−0・5%程度とプラス成長を見込んでいた。

 IMFは各国のこれまでの対応により金融システムが「メルトダウン(溶融)」する危険性は軽減されたと指摘。一方で新興国通貨の急落や先進国でのデフレ圧力増大など新たな懸念にも言及し、景気が持ち直すのは09年後半以降になるとの見解を示した。

 このためマクロ経済政策で景気を刺激する「明確な必要性」を強調。低金利の日本などは利下げ余地が限られていることから金融政策だけでは不十分とし、財政に余裕がある国では「ターゲットを絞った財政出動」が有効だと訴えた。

 今回の改定は、米証券大手リーマン・ブラザーズの破たんによる9月半ば以降の金融市場混乱などを反映させた。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008110601001017.html