記事登録
2008年11月07日(金) 00時29分

欧州が協調利下げ 英3%に、50年ぶり低水準東京新聞

 【フランクフルト6日共同】欧州の中央銀行は6日、協調利下げを実施した。英中央銀行のイングランド銀行(BOE)は主要政策金利を1・5%引き下げ、1955年以来の約半世紀ぶりの低水準である年3・0%にした。欧州中央銀行(ECB)もユーロ圏(15カ国)の主要政策金利を0・5%引き下げ、年3・25%にすることを決めた。スイスとデンマークも0・5%、チェコも0・75%それぞれ政策金利を引き下げた。

 欧州の中銀が協調して大幅に利下げすることで、金融危機による景気後退が不可避となった欧州経済を下支えする姿勢を鮮明にした。協調利下げは、10月8日に米連邦準備制度理事会(FRB)などと打ち出して以来。日銀も10月末に約7年半ぶりに政策金利を引き下げるなど、各国の中央銀行が一致して金融緩和を進めている。

 ECBのトリシェ総裁は記者会見で「0・75%の利下げも検討した」と語り、追加利下げの可能性を示唆。各国の中央銀行による協調利下げが続く可能性もある。

 BOEは英国の7−9月期の国内総生産(GDP)が約16年ぶりのマイナス成長となった事態を重視。下げ幅は1981年3月以来、27年8カ月ぶりの大きさとなった。原油価格下落でインフレ懸念が和らいでいることも大幅な利下げの追い風となった。

 欧州連合(EU)欧州委員会は今月3日、ユーロ圏経済が4−6月期以降、3期連続のマイナス成長になるとの予測を発表、1999年の通貨統合以来、初めて景気後退局面に入ったとの見方を示した。けん引役であるドイツやフランス、イタリアの不振が原因で、欧州全体も年内に景気後退入りすると予測した。特に英国では金融危機の影響で不動産価格の下落が激しく、個人消費の急速な落ち込みなどが懸念されている。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008110601000679.html