記事登録
2008年11月07日(金) 00時00分

アサギマダラ、長野—庄原へ中国新聞

 何の暗号? 羽にアルファベットと数字を書き込まれたチョウが10月中旬、国営備北丘陵公園(庄原市)で見つかった。発見し、写真に収めた広島市安佐北区の販売員牟田恵美さん(37)は「何だろう」と首をひねるばかり。チョウの正体を追った。

 羽は赤茶に白い斑点がある。片方に「NP17173」、反対側に「SRS912」と黒い文字が書かれている。まずは、市森林公園こんちゅう館(東区)に写真を送った。

 名前は「アサギマダラ」、別名「旅するチョウ」と判明した。夏場は標高約1000メートル付近の寒冷地に生息し、8月下旬から9月上旬にかけて南下する。2000キロも飛ぶという。「記号は移動調査のための文字」との説明だった。

 こんちゅう館で教えられた、アサギマダラにくわしい大阪市立自然史博物館に問い合わせた。「謎の文字」を解読してもらうと、「SRS」は、東京都のアサギマダラ研究家栗田昌裕さん(57)を示すと判明。すぐに連絡を取ると、9月12日に長野県大町市で捕獲し、記号をマーキング後に放したチョウ126匹のうちの1匹と分かった。

【写真説明】羽に文字が書き込まれたアサギマダラ。旅の途中、国営備北丘陵公園で羽を休めていた=10月12日(安佐北区の牟田恵美さん撮影)

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200811070006.html